「おい」 「(!?)」 その瞬間、汗ばんだ手があたしの左手首から離れた。 「(…た、助かった?誰?)」 あたしをつかんでいた男は、いつのまにかいなくなっていた。目の前にたっていたのは銀髪の黒服の男。 「おい」 「っ!は、はぃ…?」 「立てるか?」 「(た、てない……)」 「はぁ…」 「わ、ぁ?!」 男に担がれた?! なになに?なんで、あたしこんなことなってんの!? 「あ、……の」 「なに」 「ぃや、どこに…」 「………」 「?」 「………」 無視ですかっ…。