駆け足ぎみで入ったクラスからは冷ややかな目ーー…。
「(注目の的だ…)」
自分の席に無言で行き、カバンからお弁当を取り出した。
「(早くいかなきゃ…っ?)」
「アンタが、河野奈々?」
「?」
「スズノ…こいつが蓮の彼女?」
「うん。」
いつの間にかケバケバGALに囲まれてしまったあたし。
「(もしかして…お決まりの台詞がっ)」
「ちょっと一緒にトイレ行こうよ」
「……は?一人でいきなよ」
「いいから来い」
腕を捕まれ弁当が落ちた。抗うまもなく引きずられてクラスを出た。
「(これは…ヤバイ)」
連れていかれた先はGALの溜まり場であろう、人気のないトイレ。
「(うわあ、ガラワルっ…ってかタバコ吸ってるよ)」
「あんたが蓮の彼女?」
「……………そうですけど」
「そう。悪いんだけどさ別れてくんない?」
「嫌です」
「頼むよ〜あんたみたいなブスを彼女にしたら蓮の価値下がるんだろ?考えてみなよぉ〜」
蓮の………価値?

