「なあなあ、陸人」
「あ?」
「奈々ちゃん、絶対蓮に見とれてるよね」
「……だな」
何て会話は奈々の耳には届いてなかった。
「(どこで蓮のこと好きになったんだろ…)」
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなり授業の終わりを告げた。今からは、昼休み。
「………ご飯」
「………飯にするか、学食行くか?」
「いや、お弁当あるので」
「じゃあ、取ってこいここで食うからな。俺ら購買行ってくっから」
「はーい」
階段を降りて自分のクラスに向かって少し小走り。
「(なにげにお昼一緒とかはじめて、ウキウキし過ぎて小走りからスキップになっちゃいそう。)」
回りに見えている生徒がなにやら私を見てはコソコソ言っている。
「(………蓮達のことであたしまで巻き添えだね)」
前まではうっとうしかった彼らの目だったが、今は、蓮がいるからイイやって思ってるあたしは大分重症なのだろう。

