日にちは変わって、入学式。
「あぁー…ダルい」
「奈々はめんどくさがりだなぁ。もう、帰るだけじゃん」
「林〜檎…」
この子は、中学から一緒にいる熊谷 林檎(くまたにりんご)小さくて前髪アシメ&ショートボブちゃん。
「ほら、駅前のカフェよるんでしょ?」
「うぅ〜ん…今いく〜」
「ほら、早く立って」
もう、林檎は強引なんだから!ってか、蓮のやつ今日一回も見てないんだけど?サボりかな?
「河野さんいる?」
「ほぇ?」
「呼んでるけど?」
「げぇっ!」
「……ちょっと、借りてくぞ」
大きな手が私の右手首を捕まえた。そのまま、あたしは引きずられるように教室を後にしたのだ。
「…………大丈夫なの?奈々…」

