「8ー…7ー…6ー…」
カウント止めねぇーっ!!
「あっ!」
「お前は黙ってそこにいろ」
「………」
何か確信を持ってるのは分からないが、ライオンの目は、強い目をしていた。
「……(…ほんと、調子狂うよ…こいつはなにがしたいんだろ?)」
あたしには、分からなかった。蓮がこの時どんな気持ちでいたのか。
「3ー…2ー…1ー…」
「!」
「………は、なしって何?」
「か、ずやっ!!」
和也がドアの隙間からちょこっと顔を出した。久しぶりに見た和也の顔は目の下にクマが出来、笑顔が失われていた。
「っ!?ね、ぇちゃん!?」
「っ!本当に…しん、ぱいじだんだからぁっ!」
「えぇっ?!く、るしいよぉ!恥ずかしいし!彼氏が見てるよっ」
あたしは、泣きながら和也に飛び付いた。久しぶりに抱きしめた体は大分痩せて、前より小さく細くなっていた。
「(…こんなに痩せてしまってる)」
ライオンはただただこの光景を眺めていた。

