無言のままエレベーターに。気まづすぎる…。なんなのこいつはっ!いきなり、彼氏とかって連れていったらお父さん倒れちゃうんじゃないの!?しかもよりによって、不良ってどうなのかな…?
不安をよそにエレベーターはあたしの家の階に着いてしまった。
「…(降りたくない)」
「おりねぇの?」
「…降りますよ」
「………(なにキレてんだ?)」
あたしは家のドアノブに手をかけて、息をはいた。緊張感がハンパない…玄関開けるだけでこんなに緊張する日が来るとは思わなかった。
「……(開けたくない…)」
「……(遅ぇ)」
「……(あたしだけ家に入って鍵閉めちゃおっかな?)」
「……(なに固まってんだ?なんかイライラしてきた)」
「……(そうだその手があった!鍵閉めちゃえばこっちのもんだよね!)」
「……遅ぇ、早く開けろよ」
「!!、はぃ…」
あたしの作戦はライオンの一言で綺麗に崩れていった。

