そのあと、あたしにブサイクと呟いてバイクは発進した。 急に発進したのに怒ろうと思ったんだけど、バイクから見た外の景色は、いつもの景色を何倍も綺麗に見せてくれた。 「…………………綺麗」 「………」 まるで景色も1つの生き物のように見えた。 「お前の家どこ?」 「え?」 暴風でよく聞こえない。 「家、どこ?」 「家の近くのコンビニに下ろして?」 「…………………家どこだ?」 どうやら、コンビニには下ろしてくれないみたいだ。あたしは、仕方なく家まで送ってもらうことにした。