「(この子、蓮のジャージ嗅いでるよ…)」
「(なにしてんだあの女)」
「(………………臭かったか?)」
「(超いい匂い…あたし、この匂い好きだ。それにしても、ブカブカだ。あたしよりデカいんだ)」
ブカブカなジャージを着ている奈々をライオンは見つめていた。
「?、蓮?」
「…………………あいつ欲しい」
「は?」
「なんだよ。急にどうした?」
男子のヒソヒソ話など気にせず、奈々はまだジャージを嗅いだりしていた。
「………おい」
「?」
「お前、俺と付き合え」
「はぁっ!?」
人生はじめての告白は拒否権なしの脅しでした。

