『♪~♪~~』



…と、好きなアーティストの曲が流れる、彼の。


それは、彼氏からケータイに着信が入っていることを意味する。


どちらともなく、あたしと竜騎は黙り込み、ケータイに自然と視線は注がれた。


ただの着信なのに、この部屋の空気は緊迫しているような気がする。


いや、気のせいだ。


第一、竜騎には電話の相手は誰か分からないはずだし、分かっても関係ないはず。



だけどケータイを手に取ろうとすると、竜騎と何となく目があってしまった。


なっ、なによ。


なぜか後ろめたい気持ちになりながらも、目線を素早くずらし、ケータイの通話ボタンを押した。