「なに考えてるのよ」
やり場のない苛立ちを竜騎にぶつける。
「それはこっちのセリフだっつーの」
サングラスを外しながら言った竜騎の声色がいつもに比べて低い事に気付く。
なによ、意味わかんない。
あたしが何だって言うの?
思いっきり反撃しようと、頭の中で浮かび上がった言葉を吐き出そうとした時―――
「ばか、静かにしとけば?」
何の事かと聞き返す隙もなく、さっきの通りからまるであたしを隠すかのように―――
竜騎にキスをされた。
この流れでどうして?
あり得ない。
竜騎はいつも急すぎる。
抵抗しようと手で竜騎を押してみたけどびくともしない。
それどころか、両手を片手で捕まえられたうえに、足の間に足を入れられて、身動きすらまったくできなくされた。
細いくせに竜騎は力強い。

