六階建ての空籠学園の111棟。
通称"赤の棟"は、一年生のための棟だ。
外壁は赤い煉瓦で、どことなく西洋を思わせる。
赤の棟の二階の1年7組教室には、


五人のパラフィリアがいる。


秋晴れの日の朝。
1年7組教室のドアを開けて元気よく入ってきたのは、
日向 直緒(ひなた なお)という少年。

「おはよー! あ、昨日言われてた漫画もってきたよっ」

ふわふわとしたプラチナブロンドのショートヘア。
瞳の色は血を吸ったような赤色でくりくりとしている。
肌の色も白く、華奢なため女の子と勘違いされやすい。
そんな直緒は一見穏やかに見えるが、本性は
とてつもなく恐ろしい。
彼もパラフィリアのひとりで、彼は
"アポテムノフィリア"、肉体の切除に興奮を感じる少年だ。