「あ。火薬」 本当の目的を思い出したのは、校庭のほうから銃声が聞こえたからだった。 倉庫に戻って中を見回して、棚の上に見つけた火薬の箱に手を伸ばす。 「ちっさいなぁ」 と後ろから言ったのは会長。 軽く手を上げるだけで火薬の箱に手が届く。 いつか見返してやる…。 内心で睨みながら、お礼を言って箱を受けとる。 「夏村って、男性恐怖症? 答えれないならいいけど」 会長は私を見下ろして言った。 「…違います。暗所恐怖症なんです」 「暗いところ?」 私は頷いて答える。