「悪い。…切れてるな」 開けられた扉から、暖かい風が入り込み、傷を刺激する。 「…俺、救急箱取ってくる。 そこにいろ」 会長が立ち上がる。 「待って!…いいから、ここにいてください」 会長の服の裾を掴む。 「え…」 一人になるのは怖い。 まだ、手が震えているのは自分でわかっている。 「佐原。ちょっと抜けれない用ができたから、風紀委員に協力頼んで」 会長はピンマイクに言って、私の前に座る。