「放送委員、招集遅れてる」 「すいません!えっと……」 「プログラムナンバー5、男子200m予選」 「あ、はい…」 『プログラムナンバー5、男子200mに出場する人は、招集テントに集まってください』 しっかりしてよ…。 嘆きつつ、私は額の汗を拭う。 9月とはいえ、まだ暑い。 『夏村、進行遅れてる』 「今、放送委員に言いました」 『わかった』 周りを見ると、トラックの中にいる会長を見つける。