「夏村、ちょっと残れる?」 話し合いが終わって帰ろうとしたとき、会長が言った。 嫌だけど、二人もいるし、普通の用事かも…。 「わかりました」 私は肩にかけた鞄を机に置いた。 *** 「言わないでくれたんだ」 本性じゃない笑顔で会長が言った。 例の昨日の出来事が関係しているので、私は答えない。 「信じてたよ、夏村」 笑顔の会長を睨む。