しばらくすると民家が少なくなって田んぼが多くなり目の前には大きな山が見えてきた。

 その山を目指して走ってることに気づいた。

(えっ!こんな人がいないとこに来てどうするの?)

 不安そうにしてる遥を気にしず蓮は山の頂上を目指していた。

 道が悪くそのうえカーブがきついので蓮は真っ直ぐ前をむいたまま音楽を聴きながら話をしていた。

 不安な気持ちや音楽の音量がおっきいこともあり、遥の耳には蓮の声が届いてなかった。

 山に入って15分がたった時、周りにあった木がなくなりすごくひらけた場所に車が止まった。

「着いたぁ!マジ疲れたぁ。降りよ。」

 蓮は先に降り、背伸びをした。

 不安になりながらも遥は車を降り、蓮の方に歩き始めた。

 ふと、前を見ると眩いばかりの光があたり一面に輝いていた。

 そこは蓮が見つけた180度の夜景スポットだった。

 遥が近づくと蓮は後ろで持っていたバラの花束を差し出した。

「誕生日おめでとう。今日、誕生日だったよね」

(えっ!なに!?)

 遥は今まで見たことのない夜景の感動と蓮のサプライズで涙がこぼれた。

 初めて会った時にもうすぐ誕生日と話したことを蓮は覚えていた。

 遥は物をもらうより心に残ることにすごいあこがれていた。

 遥は涙が止まらなかった。

 蓮は急に走り出し岩の上によじ登り、光り輝く夜景にむかって叫んだ。

「これから2人でずっといたい。遥が苦しい時、俺が必ずとなりにいて支えになる」

 大きく息を吸い込んだ。

「遥、俺と付き合ってくれ〜」

 蓮は力一杯叫んだ。

 遥は岩の上を見て大きくうなずいた。

「うん」

 蓮は飛び降りた。

 バランスを崩して倒れた。

「いってぇ〜」

 遥は蓮のそばに駆け寄って笑った。

「台無しだょ!大丈夫?」

「やっと笑ったね」

 思いやりがあり、優しい蓮。

 遥は初めて本当に人を好きになった。