遥は次の日曜に和牛専門店、料亭、フレンチ、イタリアンのお店に行った。

 シェフや料理長に無理なお願いをした。

「今度学祭があって料理のお店を出そうと思ってて、簡単に作れて500円ぐらいのメニューを出したいの。空いた時間でいいから考えてください。あと、作り方も教えてほしいの」

 どのお店でも遥のお願いがいなので快く?引き受けてくれた。

 今1番の問題はお金である。

 同好会なので部費もなくこればっかりはすぐには解決しなかった。

 由香と話し合った。

 時間もないのでキャバクラで週3日ほど働くことに決めた。

 親には由香と勉強することにしてお店にはレギュラーでは無理ということを伝えた。

「由香、ごめんね。無理に付き合わせちゃって」

「やってみたかったからいいよ。それに遥1人だと心配だし。頑張ろ」

 他の人には内緒でバイトを始めた。

 初日、遥はドキドキしていた。

 不安や心配というよりワクワク感でいっぱいでした。

 お店で一通りの説明を受け、先輩たちに挨拶をしてフロア〜に出た。

 初日なのでヘルパーからスタートした。

「今日、初日のえりかです。お願いしま〜す」

 普段から話すことが好きな遥はすぐになれて30分もたたずに指名のお客さんが増えた。

 親に勉強で遅くなると伝えてあるので夜11時頃にはあがらせてもらった。

「おちゅ!楽しかったぁ」

「遥はいつもと同じでいいからいいよね。私は気ぃ使って疲れた。遥、飲んでないよね?」

「お茶だけ。親にばれちゃうでしょ。まだ未成年だし」

 楽しく話しながら家に帰った。