純一のアパートに着いて部屋に入った。

 あまりにも散らかっているので遥はびっくりした。

「本当にすごい。なにこれ〜」

 純一はうつむき小声でつぶやいた。

「かたづけます」

「しょうがないなぁ。手伝うね。キッチンもすごい」

 腕まくりをしてキッチンをかたづけ始めた。

 キッチンをかたづけ終わると部屋を掃除し始めた。

 リビング、そして寝室とどんどん掃除機をかけていった。

「なにこれ〜」

 遥はベットの下から取り出した1冊の雑誌をつまんでいた。

 駆けつけた純一はマズそうな顔をして頭に手を置いた。

「うわっ!そんなとこまで掃除しなくていいって」

 雑誌を純一に投げつけた。

「それは何かなぁ?純のえっち!」

「男だからしょうがねぇって…。はいはい、かたづけしてきま〜す」

 逃げるように戻っていった。

 3時間もかかりようやくかたづけが終わった。

「疲れたぁ!遥、頑張りすぎ。大掃除じゃないんだからそんなにやらなくてよかったんじゃない?」

「だめ!今やらなかったらずっと汚いままでしょ」

「そんなことない…ことはないか(笑)」

「お腹すいたぁ」

 遥は勝手に冷蔵庫を開けた。

 何もないのに驚いた。

「飲み物しかないじゃん。ちゃんと食べてる?」

「バイト先で飯食ってるから部屋で飲むぐらいだよ」

「ちゃんと食べてるならいいけど。材料買ってももったいないから食べに行こ」

「俺、金ないよ」

「大丈夫!いこ」

 遥は半ば強引に純一を連れ出した。