赤い月 参


「美少女ちゃん?
アンタ、フツーじゃねぇな?」


真正面で対峙している奴も、異変に気づいたようだ。
濁ってしまった目が、正気の光を灯して瞬いている。


「‥‥‥イイゼ。
それでも、俺が壊し」


「壊す? 妾を?
ハっ
貴様では役不足じゃ。」


片眉を上げて紅い唇を歪め、彼女が笑った。

あどけない天使の面影もない、妖艶で驕慢な微笑。

大吾は凍りついた。


(ダレだ? コレ?)


彼女の細められた目が、あり得ない色の光を放っている。

‥‥‥‥‥赤?


「ぅ… あああぁぁぁぁぁぁ?!」


恐怖に狂ったような奴の悲鳴。

両手で力任せに鉄パイプをガクガク揺さぶる。

いくらなんでも、女の力じゃ…

大吾は立ち上がろうと、腰を浮かした。