奴が綺麗なうさぎに触れようと、汚い手を伸ばす。

祥子が解放されたように、大吾を拘束する男たちの手も弛んでいた。

その手を振り払って立ち上がり、うさぎに迫る奴の前に両手を広げて立ち塞がる。

奴の顔が不機嫌そうに歪んだ。


「まだそんなコトすンの?
壊れちまえよ。
でもって、一緒に壊そーゼ。
俺の後で、オメェに回してやるからさ。」


「生憎、そんな簡単に壊れたりできねーの。
頑丈なンだわ、俺。」


殴られた背中が痛む。
思いっきりやりやがって…
真っ直ぐ立つのもキツいわ。

だが、大吾はニヤリと笑った。

彼女たちを壊される前に、コイツらを壊してやる。
俺が暴れている間に、うさぎが祥子を連れ出してくれるだろう。

男はカッコつけたがり。

俺はボロボロに壊されても、二人が無事なら…

奴が、男が持っていた鉄パイプをひったくり、無表情に振り上げる。

来る…
まずは、あの鉄パイプを奪い取って…