携帯が鳴った。


─ゲーセン、楽しんでるぅ?
 友達いっぱいで、そりゃ楽し いよなぁ?
 俺は一人で病みそーだケド?


嫌な笑いが脳に刺さる。


─イイ女に囲まれちゃって。
 俺にも回してよ。
 黒髪美少女、スゲぇな。
 俺、ソレがイイ。


全部見られてる。
ナニやってンだ、俺は。
鬼神サンまで…


─おまえとソレが俺のモンにな んなら、俺はおまえの女にゃ 手ぇ出さねぇカモ。
 大事なんだろ?
 べったり張りついちゃってさ ー。
 俺、妬いちゃうよ?


通話が切れる直前、ゲーセンを出ていく奴を見つけた。
コッチを見て、笑ってた。


「どしたー? 大吾?
顔色悪ィぞ?」


「ん? 別に?
てか俺の心配までしてたら、高杉の頭、来年あたりハゲ散らかってンじゃね?」