「…うわぁ…
本気でドラゴンかよ?」
薫が心から嫌そうに言って寝転がり、コンクリート剥き出しの天井を仰いだ。
景時も同じように寝転がろうとしたが、うさぎが腕の中にいるのを思い出し、そっちにギュっと抱きついて癒しを求める。
「俺も信じてねぇケドさー…
張り込んでもらってンだケド、アイツ、うさちゃんとの魔法勝負にいっぱいいっぱいで、オニもドラゴンも放置してるみたいなンだよね。
もう、ソコしか手懸かりねぇンだわ。」
ドラゴン。
雲を掴むような話だ。
だけど…
変化により黒くなったうさぎの髪に顔を埋めて仄かな麝香の香りに酔いしれながら、景時は思う。
半年前なら笑い飛ばしていたであろう鬼神の存在も、確かに在ったのだ。
それどころか、今も当然のように腕の中で次のミカンを剥いている。
なら、もしかしたらドラゴンだって…



