赤い月 参


うさぎを膝の間に置き、背中からその細い腰を抱いて一緒にコタツに入っていた景時が、彼女の肩に顎を乗せて不満を漏らす。


「うさちゃん、薫があんなコト言うよ?
家でも悪い魔法使いにイジメられてンのに、ハゲマッチョまで俺をイジメるよ?」


「当然であろう。
外は寒いからな。」


うさぎが振り返り、皮を剥いて白い筋まで丁寧に取ったミカンをひと房、景時の口元に差し出した。

『あーん』デスヨ、ちょっと!
コレ、『あーん』デスヨ!
奥さん!!

パクリと食いついた景時が、不満もストレスも始めからなかったかのような、緩みきった甘い笑顔を見せた。