赤い月 参


ねぇ?

ソレって、いつも通り一緒にご飯を食べるってコト?

帰って来るってコトだよね?

俺のところに‥‥‥

景時がうさぎの後ろ姿に手を伸ばす。


「うさちゃ」


「来い。
我が妃、紅玉(コウギョク)。」


景時の言葉に被さるハスキーボイス。

男もうさぎに手を差し伸べていた。


「そなたに嫁いだ覚えはないがな。」


そう言いながらもうさぎが取ったのは、黒曜という鬼神の手だった。

優しく微笑みながら、白い手の甲に口づける黒曜。

振り払うでもなく、当然のようにそれを受け入れるうさぎ。

二人は扉の向こうに姿を消した。

動きを阻んでいた鬼気も消えた。

なのに、景時は思考も動作も停止させたまま。

てか生命活動まで停止しそう。

薫、大吾、祥子、小鞠の尋ねるような視線を感じる。