いつか、帰ってしまうのだろうか。 だから誰かに正体を知られることを、怖れないのだろうか。 ここが仮初めの居場所だから… 彼女はそうやって放浪を繰り返しながら、永い時を生きてきたのかも知れない。 だとしても。 彼女がここにいる今が、泡沫の夢だとしても。 (君が好きだよ。 きっと、ずっと。) 君を、放さない。 俺は取るに足らない小さな存在だけど。 それも俺の自由だろ?