赤い月 参


碧い肌は鱗に覆われ、裂けた口からは牙が覗く。

もう可愛い少年などではない。

鋭い鉤爪のついた指で、真っ直ぐに水原を指す。


「おまえが投げ入れた闇が我の精を喰らい、異形のものへと進化を遂げた。
もうこの泉では抑えきれぬ。
未だ曾て見たこともないような化け物が…実体を持たない鬼が産まれる。
斬っても捕らえても霧散して逃げ、また集い、際限なく人間を喰らうだろう。
おまえが産んだ。
おまえが人間を殺すも同然。」


「な…」


姿を変えていく蒼龍を茫然と見上げ、その声を聞いていた水原が、うさぎに視線を移した。

さっきとは打って変わった動揺した目で、彼女に問う。


「本当なんですか…?」


うさぎは痛ましげに水原を見つめ、瞼を閉じた。

それは… 肯定。