先程よりも激しさを増した龍の気が溢れ出し、空気を震わせ、周囲の木々を騒めかせる。
なのに泉を中心とした狭い円の外側は静かで、何も変わった様子はない。
薫の結界だ。
景時と秋時の準備も、整ったのだろう。
いつでもやれる。
だが、水原がここにいては…
うさぎはチラリと泉に目をやった。
もう限界は近い。
でも、水原を避難させるくらいの時間なら…
「蒼…」
「人間はいつだって姫に守られているのに、いつだって姫を傷つける!!」
大好きなうさぎの声も耳に入らないほど、蒼龍は逆上していた。
「絶望しながら死んでいくがいい、愚かな人間よ。」
小さな躰が浮かび上がり、ゆっくり上昇していく。



