急に光りだした池を見て、水原の胸は期待に高鳴った。

凶々しさは増すものの、池に目立った変化がないのは、捧げ物が足りないせいだと思っていたが、熟成期間が必要なだけだったのかも知れない。

始めは気づかないほどだった小さな光は徐々に大きくなり、今では辺りを昼のように照らしている。

目を凝らせば、池の中央を昇ってくる影が見えた。

あの人の言葉で、心が折れてしまう前で良かった…

水原は自嘲気味に笑った。

ナニカが現れる。

チカラが手に入る。

もう何も考えるな。

だが池から姿を現したのは、彼が待ち望んでいたものではなかった。

むしろ、今一番会いたくない相手…