赤い月 参


水溜まりを見下ろして立っていたうさぎを、景時が横抱きに抱え上げたのだ。

そのまま地面に胡座をかいて座り、うさぎを膝に置いて抱きしめる。


「‥‥‥‥‥辛かった。」


「?
握り飯が足りなかったか?」


噛み合わない会話を聞いて、秋時と薫が笑いだした。

ハイハイ。

いつも、いっっっつも、こんなカンジだよ。

笑ってくれよぉぉぉぉぉ!!

景時が、うさぎの首筋に顔を埋めて囁いた。


「うさちゃん…
封印されてたの?」


「そうじゃ。
十年程前に目覚めたがな。」


薫が笑うのをやめて身を乗り出した。

秋時も少し離れたところで、耳をそばだてているようだ。