赤い月 参


もう大丈夫だから、と手で合図して薫に身体の上から退いてもらい、秋時の手を借りて立ち上がった景時は、少年の熾烈な眼差しに曝された。


「どうして姫は、人間なんかと一緒にいるの?」


虫けらでも見るような、冷たく蔑みきったその瞳。

いや…違う。

そこにあるのは、人間に対する憎悪。

彼はただの少年ではなく龍なのだと、人間である三人は思い知る。

冷ややかな、だが燃えるような憎しみの視線を浴びて、鼓動までもが凍りついた。


「こら。
粗相を致すな。
妾が世話になっておるのじゃ。
挨拶致せ。」


「え─────────??!!」


うさぎに軽く頭を小突かれて、不満げにカワイイ顔を歪ませた龍神が声を上げる。

だが、死を覚悟させた金縛りは解かれた。