赤い月 参


「姫──────────!!
会いたかったぁぁぁぁぁぁ!!」


少年が勢いよくうさぎに抱きついた。

背中に手を回して皺になるほど羽織を握りしめ、いい匂い…と呟きながら、彼女の胸に頬を擦りつけて‥‥‥‥‥

予感的中じゃねぇかぁぁぁぁ!!

景時は涙目で二人を眺めながら、悔しそうに歯噛みした。


「久しぶりじゃな、蒼(ソウ)。
元気そうで何よりじゃ。」


抱きつかれたままのうさぎが、少年の頭を優しく撫でる。

やめてー!!
うさちゃんまで、やめてー!!

死ぬから。
嫉妬の炎に焼かれて死ぬから。

いや、いっそあのガキを殺…

下から溢れ出す不穏な気配を感じ取った薫が、大きな手で景時の目をそっと塞いだ。