景時が束帯の襟首をひっ掴んで、彼の激走を阻んだのだ。
「無礼者。
汚い手を放せ。」
少年がカワイイ唇を尖らせ、金の瞳で景時を睨み上げる。
「あー…
なんか、スンマセン。
スっゲェ嫌な予感がしたモンで
ぐぇ」
二度目の変な声は、景時の口から漏れた。
赤い頭を掻きながらも少年の襟を掴んで放さない景時の上に、なんちゃってプロレスラーがジャンピングボディプレスをカマしたのだ。
景時の手が少年から離れる。
「失礼致しました、龍神様。
私は」
「姫、姫、姫──────!!」
頭を下げた秋時を華麗にスルーして、少年はまたも駆け出した。
薫に敷かれたまま景時が手を伸ばすが、もう届かない…



