目を丸くした後、なんじゃつまらぬ、と拗ねた横顔を見せるうさぎの頬を景時はそっと撫でた。
「拗ねないの。
でも、ちょっと意外。
もっと本気で怒るかと思ってた。」
「仕方あるまい。
今の世では、人にとって我らのような人外の存在自体、珍しいのであろう?
その上、そなたと妾のようになんの利害関係もなく共におることなど、思いもよらぬのであろうな。」
おー… 大人な意見。
でも… 利害、ね。
あると言えばあるんデスケド。
だって、俺は君が欲しいから。
景時はうさぎの頬から手を滑らせ、そのまま銀の髪を指で掬い上げる。
絡まることも引っ掛かることもなく、指をすり抜ける美しい髪。



