部屋のドアの前で、水原が帰りを待っていた。


(カノジョか。)


ツッコみたい気持ちでいっぱいだが、彼の表情があまりにも真剣なので、とりあえずやめておく。

時間的に茶の間から消えた後、そのままここに直行したようだ。

恐らく、大吾と祥子と小鞠がいては出来ない話があるのだろう。

景時と薫の顔が引き締まった。


「今日はありがと。
助かったわ。」


景時が軽く言った。
が、心持ち声が硬い。


「彼らが無事で何よりだ。」


返ってきたのは、さらに硬く思い詰めた声。

景時はさりげなくうさぎを背に隠した。