「ほう…
ならばその阿呆に会い、そなたを叩きのめし寺を破壊し尽くし、妾を使役できる者などおらぬと見せつければ良いのじゃな?
なんなら、街ごと火の海に沈めてくれようか?」
‥‥‥‥‥あら?
…コレ、どう反応しよう?
とりあえず乗っとく?
「やーめーてー」
景時が頬に手を当てて声を上げると、不意にうさぎの口元が楽しそうに綻び、殺風景だが暖かいいつもの我が家に戻る。
「冗談じゃ。」
「知ってる。」
景時が横からうさぎの顔を覗きこんで、ヘラっと笑った。
鬼気に凍てつく冷たさはあったが、息もできなくなるような圧迫感はなかったから。
それに優しいうさぎには、罪もない人間を焼き殺すことなんてできないから。



