スッピンだ。

わかるよ。
なんか色々溶けちゃって、もう人間の顔じゃなかったもんね。


「見んな!
どっか行け!!」


茶の間の扉を開けて固まった景時に、破られた制服を脱いでジャージ姿になった祥子が、今日もミカンの皮を投げた。

ハイ、今日も受け取って、シュート!
決まった!!


「片付いたか?」


「片付いた。」


タオルを手にした薫に、景時は片目を閉じて親指を突き出した。

縛られていた祥子の手足を手当てしていたのだろう、コタツの上には救急箱が置いてあり、小鞠は包帯と格闘している。


「小鞠さん、私がやりますから。」


「大丈夫!
女の子の仕事デス!」


なんか…仲良くなってね?
魔法使いと小鞠ちゃん。

このまま、うさぎのコトは忘れてクダサイ。