「行くぞ」 いつも龍希のその一言ですべてが動く。 遊びに行くときも、暴走に行くときも。 誰もその言葉に逆らう人はいない。 逆らおうと思っている人もいない。 「ねぇ、どこいくの?」 その日、龍希は私の教室に来て、私の腕を掴んでズンズンとどこかへ歩き出した。