そのまま黙りこんでしまった龍希。
だから、私もまた無言で海を見つめた。
きらきらと太陽に照らされてる海は神秘的。
「俺さ……」
「……うん」
いつも龍希は唐突に話始める。
だから一瞬ビビる。
「昔…つっても半年前ぐらいなんだけどよ」
「…うん」
「俺が30人くらいの男相手に一人で喧嘩してた時あったんだよ」
「…うん」
「んでよ、さすがに俺でも30人はちっときつかった」
「…まぁ」
「……そんでよ、そんな俺を見知らぬ女が助けてくれたんだよ」
「…今時そんな子もいるんだねぇ~」
「……それが、お前だった」
「……は!?」

