「…蝶、龍……?」
私が青い少年の言葉を復唱すると、銀髪のお兄様が優しく説明してくれた。
「俺は安藤大河。あっちの青いのが佐助。そして、あっちの茶髪のは龍希。俺たちは“蝶龍”っていう暴走族のグループに所属していて、龍希が総長。んで、俺らが幹部」
「暴走族!?」
「うん」
私の質問に、さもあたりまえのように大河さんが答えた。
なんだって私は暴走族なんかに助けられたんだ…。
も、もしかして私を暴走族に勧誘するために助けたのか…!?
そうじゃなきゃ暴走族が人助けなんか…。
「あの、そういうの結構なんで、帰らせていただきます」
ゆっくりと腰をあげた私に「は?」という声を出して私の腕を掴んだのは龍希。

