「なぁ、そこらへんにしとけば?」 やけに低い声が路地裏に響き渡った。 ボヤける視界の中、私は必死にその人の顔を見ようとした。 「り、龍希さん…!!」 急に可愛らしい声になったボス的な女。 そんな女には目もくれず、男は私の方へ向かってきて、私に青のスカジャンをかぶせて、そのまま抱っこされた。 「り、龍希さん!?!?」 明らかに嫉妬の色が見られた女の声が聞こえたが、その人は完全に無視して、私を抱っこしたまま歩き出した。