「てめえ、もういらね」 赤のお兄様は私……もとい、私の後ろの眼鏡君にそう言った。 「ひ、ひぃぃいい」 情けない声で走り去る眼鏡君を冷めた目で見つめる自分がいた。 「それでは私も失礼します」 私は拳を止めるために放り投げた鞄を持ち上げ、3人のお兄様方を一瞥した。 「そう簡単には返さないぜ?」 「こんな良い女そうそういねぇからな」 そう言って私の前後を塞いだ愚かなお兄様。