「んじゃあ、悪ぃな麻衣ちゃん」 「いえ、亜優が無事なら…」 大和の腰に腕を回すと、フォンッと音を立てたバイクは走り出した。 大和の運転は嫌いじゃない。 「んで、どうした今日は…」 「……」 「……」 「……思い出したの…」 「…ッ……」 その一言だけで全てを察する大和はそのまま口を閉ざした。 「ねぇ、海沿い、走って…」 その後に私が発した言葉には「あぁ」と言い従ってくれた。