―――――… 「大和くんついたって言うから裏門まで行こう」 1秒のような1分のような、はたまた10分のような時間だった。 何も話さずただボーっとしているだけの時間。 生きているのか死んでいるのかさえわからなくなる。 「あ、こんにちは」 麻衣の声に顔をあげると大きな単車に身を乗せた大和がいた。 大和、もとい、私の兄。 「ほら」 私専用のヘルメットを渡してきた大和の顔は酷く悲しそうだった。