ある冬の日




「それじゃ各班それぞれ練習を始めてください」



先生がこの言葉を言い終わるとみんな一斉に立ち上がり、なんだか緊張の糸が切れたように場の雰囲気がふわっと明るくなった。



「よっしゃー行くぜー!」「あたしボール取ってくるね~!」



男子も女子もみんなテンション高くて笑ってておしゃべりしてて、なんだか授業中なのに休み時間の様で不思議な感覚だった。



やっぱり体育は楽しいよね。私も好きだもん。



「里絵ちゃ~ん!よかったウチら同じ班になれて。ウチらはあそこで練習するから早く行こ。みんな待ってるから」



「え!?あ、うん」



みんなそれぞればらついて練習場所に散らばり始めたのに、未だその場でたじたじしてた私にりかちゃんが声をかけてくれた。



やっぱりりかちゃんは明るい性格みたい。なんだかそういうクラスのムードメーカー的なオーラがある。



りかちゃんに案内されて体育館の後方に向かうと、既に6班らしき人たちが集まっていた。



男子が3人と女子が1人。



りかちゃんが1人ずつみんなの名前やちょっとした自己紹介を話してくれた。



「あ、あの、私は山田里絵です。よろしくお願いします」



班の人みんなの紹介が終わって私もみんなに自己紹介をした。