ある冬の日




今日初めてこの学校に転校生としてやって来た私にとって、初めての授業が体育って最悪だと思う。



私にとったらこの一番最初の休み時間10分に賭けてたのに。これじゃクラスの人それぞれに挨拶と自己紹介する時間ないよ……。



みんなまだ私に警戒してるし、っていうかそもそも最初から体育の準備忙しくて私のことなんて視野に入ってないか。



私はひどく落ち込んだ。



そんな時だったな。あの子が話しかけて来てくれたのは。



「里絵ちゃん、だっけ?」



「えっ!?あ、うん」



びっくりした。正直、こんな時に私に話しかけてくれる人なんていないと思ってたから。



「ウチ、岡田梨華。よろしくね!」



かわいい。長い黒髪を大きなハート型が付いてるヘアゴムで右サイドに束ねていて目が大きくて、明るくてクラスの人気者って感じの子だな。



これがこの子の第一印象だった。



「いろいろ里絵ちゃんに聞きたいことあるんだけど、とりあえずまずは体育館シューズと体操服持って教室出よ」