ある冬の日




その女子たちの話を聞いていると、どうやら女子たちの方は合同で授業を受けていた3-3組のペアの子が優勝したらしい。



それで優勝できなかった女子たちは、同じクラスのオレたちが男子部門で優勝した事がよほど嬉しかったらしく、しつこいくらいにオレたちの優勝を祝ってくれた。



まあ、オレたちが優勝した事が相手クラスの女子たちを見返せるとでも思っているだけなんだろうけど。



だからさ、コレ、ただの遊びだっつーの。



まだこれが全クラス対抗のスポーツ大会だったらわかるけどさ。



たかが体育の授業だぜ?



ったく。



そんなことにいちいち体力と気力使ってる女子たちの気持ちって、よくわかんねえな。



いつもオレたち男子を見下してるくせに、お前らの方がよっぽど幼稚だっつーの。



女子たち数人からの祝いの言葉を軽く受け流しながら、そんなことを思った。



あ、宮本紗奈。



その時オレたちを取り囲んでいる奴らの隙間から、ほんの一瞬だけど同じクラスの宮本紗奈の姿が見えた。