ある冬の日




ピー、という一際大きな音がまた体育館全体に響きわたった。



今回のその音は教科担任が生徒たちを体育館前方の中央に集合させるために鳴らした笛の音だった。



「では今日の授業はこれで終わります」



やっと1日の授業の前半が終わった。



教科担任の今の言葉を聞いて1番最初にオレの頭に浮かんだのは、カレーライスだった。



そしてどうやら同じ事を考えていたのはオレ以外にもたくさんいるらしい。



4時間目の体育の授業が終わり体育館の出口に向かって生徒たちがずるずると歩いているとき、



「よっしゃ給食~!」「腹減ったー」「今日カレーだって!」



という声がちらほら聞こえてきた。



「優也・竜太優勝おめでとー!」「おめでとう」「やっぱすげえなお前ら!」



体育館の出口に向かっている最中、オレとそいつを取り囲むようにしてクラスの奴らが言ってきた。



「えっ!?優也たち優勝したの!?」「すご~い!」「さすが!アンタらは4組の誇りだわ」



そしてその噂を聞きつけた同じクラスの女子も何人か会話に割り込んできた。