これは、マミーの天然が遺伝したと思われる。

「さ、サユ、ベートベンというのはね。」

ベートベンのことを詳しく説明する日和に

そうだったかしらと相槌を打ちながら聞く。

その様子を廊下から見守るように現れたのは

姐さん、姐さんと呼ぶいつもの不良メンバーズ。

そして、放課後になった。

今日は誠氏とご一緒じゃないということで、

部屋に入って不良メンバーズに混じってだるま落としを

する妄想する子に付き合ってあげていた。

「姐さん、次です。」

だるま落としの順番が回ってきて、ハンマーに手を

かける姐さんはクールにハンマーを大ぶりした。

それはとんでもない破壊力を見せた。

だるまが粉々に砕け散ったのだ。

ただ、軽く叩いたつもりの姐さん自身でさえ驚く。

「やだ、このだるま軟なんじゃない?」

自分の破壊力だということは認めません。

その破壊力もマミーの遺伝とダディーの強靭さが

加わりパワフルさに磨きをかけています。

ソファーに座って昼寝をしていたちぃ君も

何事かと起きていますΣ(・ω・ノ)ノ!

「姐さん、加減というものが・・・」

えっ?ハンマーを振り回しそうな勢いの姐さんに

不良メンバーズ一斉に回避。

「サユちゃん、ハンマーはこう持つんです。

そして、だるまさんはそっと叩くんですよ。

だるまさんを破壊してはお遊びになりませんからね。」

それを当たり前だと言わんばかりに説明する日和に

不良メンバーズは温かい目で見守る。

姐さんの手を取って一緒にやってみると、

だるまを落とさずにする遊びだということに

やっと気付いたようだ。

「ごめんね、壊しちゃって。」

だるまさんを壊したことに罪悪感を感じる姐さん。

「いいっすよ、また買ってきますから次は落とさず

遊びましょう!!」

「サユリン、超カッコイイっす!」

「惚れ直しましたっす。」

そんな不良メンバーズに照れる姐さん。

日和に視線を移すとにっこり微笑んでいた。





「「「姐さん、可愛いっす。」」」




     おわり