日和ちゃん、綺麗だったけどな。

まぁ、黙ってればの話ですごく似合ってた。

それなのに、自分には似合わないよって笑い飛ばしてた

日和ちゃんは伊織の言う通り鈍感なんだろうな。

「アイツ、男だったのか?」

千治が大福をボトッと床に落とした。

また、ややこしいことになるようなことを

言うもんだから千治が困惑した顔を浮かべる。

「ちぃー、何言ってんだよ!!ヒヨリンは女の子だ!」

ナルの言葉に千治が安心したのか床に落ちた大福を

しょんぼり見つめていた。

「(´・ω・`)」

落ちた大福を拾って悲しそうに見つめる千治に、

慶詩が馬鹿笑いするものだから千治が慶詩の手に

あったたい焼きを分捕った。

「・・・喧嘩するなよ」

京がたい焼きの袋を千治の前に置くと、

満足したのか袋からたい焼きを取り出す。

「やっぱり、大福の方が良かった。」

「我慢しろ、また買いに行けばいいだろ?」

京の言葉に千治は嬉しそうにたい焼き食べる。

「つうか、ヒヨリンの話はどうなったんだよ!?」

ユウヤの言葉にピクリと反応して千治がたい焼きを

食べながら少し難しそうな顔する。

「何だよ、ちぃーさん。ひよこ姫とどこか行ってた

みたいだったけど、何かあったのかよ~」

「・・・汁粉」

「はぁ?」

謎の言葉に一同驚愕の視線を向ける。

「汁粉飲みてぇーな。」

「いや、どこからその話来ちゃった!?」

ユウヤの言葉に千治が首を傾げる。

「アイツ、ちゃんと作って来るだろうな?」

「ちぃー、ヒヨリンと何かあったの?」

「そういや、アイツ軽かったな。

小せぇし細かった。慶詩、アイツは女だ。」

「何だよ、急に・・・」

時たま、千治の言動には理解出来ない部分がある。

出会った頃はこのマイペースっぷりに振り回された

ような気がする。

それは、また違う機会にでも。



―――おまけ 終―――