もしも、あの兄ちゃんの奇想天外な行動を目の当たりに
したらあたしのイメージはガタ崩れのthe endを迎える
ことになりかねない!
大したイメージではないにしろ平凡な人間だと思われたい。
あんな奇行繰り返す兄ちゃんを持っていると思われたら
それこそ人生に終止符打ちかねない。
すまねぇ、兄ちゃんあたしを許してくれ!
別に兄ちゃんが嫌いなわけじゃないのよさ。
※立派な言い訳を考えている。
「日和ちゃん、後ろ気になる?」
ハッ、そうだ。今は田中と文化祭を楽しんでる
ところだったというのにあたしとしたことが!!
「ううん、スタンプラリーだって。最後は参加賞
貰えるみたいだからこれやりますかね。」
「へぇ~、参加賞くれんだ?」
田中、お前が鈍くて何よりだ。
「このカードにスタンプを貯めていくわけですが、
田中方向音痴だからあたしとはぐれないように
気を付けてくださいね。今日は昨日より来場者が
多いとの放送があったから心配だわ。」
「日曜だからか?」
「みたいですね。あらら、小学生がいっぱいです。」
スタンプラリーということもあってか、たくさんの
小学生に囲まれた。
「お姉ちゃん、スタンプ頂戴?」
「す、すみません、あたしスタンプ持っていないのです。
実はあたしもスタンプを貰いに来たのです。」
「そうなんだ!じゃあ、お姉ちゃんスタンプの
場所教えてあげる。」
小学生が集まってきててんてこ舞いになる。
「日和ちゃんって小さい子に好かれるよな。」
「た、田中はぐれるなよ!」
ぐえっー。
あたしの手を両方から引っ張らないで欲しいが、
グイグイ力は増すばかりだ。
「順番にしましょう。じゃんけんで勝った人から
主導権を握るというのはどうですか?」
これではあたしの体が半分に割れてしまうと
危機を感じた。
「しゅどうけんって何?」
小学生が首を傾げてあたしを見つめた。